ひぃお婆ちゃん

クリスマスパーティーも終わった2日後
家族でお宅へ訪問
定例のビズを全員で順番に交わす
勿論もれなく私も
なんていい習慣なんだと思う
初対面でも、距離が縮まる気がする

ひぃお婆ちゃんは
みんなのために
沢山の手料理を準備してくれていた

今回のホームステイ先のマダムが
息子さん達や幼いお孫ちゃん達を
迎えるのと同じ様に
これは“母”としての役割であり
次の世代に受け継がれていくもの
日本と全く同じだ

部屋では既に素敵なテーブルセッティング
きっと、ひぃお婆ちゃんも
幼い頃からこれが当たり前だったんだろう
沢山のマカロニが
大きなオーブン皿に既にスタンバイ
これから焼いて、熱々を出してくれる
さぁ、お食事会の始まり
ひぃお婆ちゃんは割烹着のような
エプロンをつけ、バゲットをカット
途中、何度も台所へ移動しては
次のお料理の準備やら
お皿を洗ったりと
ずっと座ってはいない

これもホームステイ先のマダムと同じ
日本でも同じ
木製の家具は、みな飴色になり
お婆ちゃん家っていう風格を醸し出してる
4歳の、ひ孫ちゃんが座る椅子も
何人の子どもが通過してきたことだろう
物を大切に長く使い続ける国
それには長く使える“物”があってこそ
どれを見ても
職人の手がかかった物ばかり

さりげなく置かれたカトラリーもそう
クリストフルはフランスを代表する
1830年創業の銀製品の老舗
世界の最高級ホテルや豪華客船などで使用
「卓上の芸術品」と呼ばれている
きっと、長い間使ってきて
これをまた次の世代が使っていく
そこには、ただの“物”としてではなく
芸術への拘りや、優れた物の目利きにも
繋がってるんじゃないかなと感じる

日本にもそういう風習があったけど
今は、簡易的で工場の大量生産の
安くて便利なものが好まれる時代
現に自分もそう
フランスだって、そういう時代は訪れる
でも、これを知った今
“物”に対する価値観が変わった気がする

ひぃお婆ちゃんは
帰りに、お孫さんちゃんへお小遣いを渡した
財布からお札を出して、お兄ちゃんへ
ふむふむ、フランスでもやるんだな~

次に妹ちゃんに渡した
私は、すかさず金額を確認

ちゃんと差をつけてるーーー!
日本とまったく同じくだーーー!

そして極めつけが帰り際
「これも、持っていきな」と
バナナとリンゴを渡してるーーー!

おっとー、見たことある馴染みの光景
でも、雑談の中にいるような
おしゃれな人々のやり取り

そのギャップに
独り、笑いを噛み殺して、、、

J'aime la France

-暮らすように旅するフランス- 4人の子持ち母 49歳でホームステイの夢を叶える! 本当のフランスを知る “大人の贅沢な旅”

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