ミルポア・三ツ星ホテル

トゥールーズにある“ミルポア”という小さな村

広場を囲むようにグルっと古めかしいお店が立ち並ぶ

その中に紛れて一段と古さが際立つ建物

詳しい歴史を知らずとも

「ここは何かが違う」と一瞬で分かり

こぞって人々の足を止める

私も止まる


カフェかと思いきや

13世紀末に建てられた邸宅がホテルになってる

とっても小さくて豪華さはないけど

三ツ星★★★なのも頷けるほど

中世のヨーロッパにタイムスリップできる贅沢さ


中に入ると

ミシミシと音が聞こえてきそうな佇まい

セピア色の写真

歴史的には、これでも最近のものになってしまう

もっと昔は、どんなんだったんだろう?

そんな妄想を馳せながら

近代の風景画で時代の流れの早さを実感

たった数十年単位で様相は変化していくんだ

恐らく、今後もその速度は加速する

今、目の前に映るものは、今だけの一期一会と

噛み締めないと


ホームステイ先のムッシューが

「明日の朝食はここにしよう!」と予約


翌朝、お腹を空かせ

極寒に冷え込んだ道を急ぎ足で向かうも

店内に昨日の支配人はいない

あらっ?あらら?まさか?


天気が悪いからテラスはNG

そりゃそうだよね、それはごもっとも納得

っていうか、朝食自体がない!のかーーーーー

日本なら、クレーム言いたい放題


でも、フランス人は違うのだ

「じゃっ、ちょっと飲んで行こう」

「ウィ」 うん、と頷き朝からワインとピーナッツ


途中、支配人が登場するも

あちらにはあちらの言い分を正当に説明

ムッシューは、残念だけど仕方ないねと

新聞を開き、余裕で優雅

私はメニューを読んでみたり

写真集をパラパラしてみたり

ホテル内をウロウロ見回りしてみたりと

フランス人流の時間に合わせてみた

のんびりで、私には持て余す感

でも、思った

朝からこんな風に過ごすことって

ないよな・・・

日本人は、仕事人生の合間に使える貴重な休暇を

満喫するため、休みすら必死に過ごす

旅行に行っても、朝食はさっさと済ませ

スケジュールをこなすため

はい次、はい次、って感じで


フランス人には長期休暇のバカンスがある

そもそもの環境が違うんだけど

きっと、あれもこれもやる!っていうより

のんびりとひとつひとつを

じっくり時間をかけることに意味を持っていて

それが自然と疲れの回復や家族との絆作りに

繋げてるのかも


心の余裕って、日々の暮らし方や

休みの過ごし方で自然と培われていく

J'aime la France

-暮らすように旅するフランス- 4人の子持ち母 49歳でホームステイの夢を叶える! 本当のフランスを知る “大人の贅沢な旅”

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